夫が靴下を脱ぎっぱなしにしている時、「普通、自分で脱いだものは自分で洗濯物かごにいれるでしょ!」と言っていませんか?
妻が夕ご飯を作らなかった時、「普通、主婦なら疲れていても夕食ぐらいつくるだろ!」と言っていませんか?
ついつい言ってしまう「普通は・・・」という言葉、実は何も解決しない不要な言葉です。むしろその言葉を使う事によって、事態は悪化してしまいます。
夫婦の関係をよりよく保ちたいですか?夫婦喧嘩を意味あるものにしたいですか?それならば「普通は・・・」という言葉の意味を考えてみましょう。
「普通」なんてない
「普通は○○」というのは個人的な価値観です。親子であっても兄弟であっても価値観は違います。それが、もともと他人だった夫婦にあっては価値観が一緒だなんて事ありません。
しかも生活を一緒にしていれば、細かい個性がそれぞれ出てきます。その個性の違いが夫婦喧嘩を生むわけです。価値観の違い、考え方の違いが原因の喧嘩に、「普通は」なんて通用しません。
だって相手からすると普通じゃないわけです。
例えばお味噌汁の具の話で言い合いになったとします。
夫「なんで豆腐とわかめしか入っていないの?」
妻「普通でしょ?」
夫「普通は大根とか油揚げも入れるだろ」
妻「お味噌汁は普通、具は少なめでしょ」
夫「普通、具だくさんだろ!」
自分の普通は、相手の普通とは限りません。「普通」なんてないのです。
頭の悪い人は自分の“普通”を押し付ける
それでも「こんな普通の事もわからないおまえは馬鹿だ!」なんて言っちゃう人、いますよねー。私からすると、価値観の違いも分からないで、自分の価値観が“一般的な普通”だと勘違いしている人の方が馬鹿。
人と自分は違う、という事実を知らない限り、そんな人は誰とも分かり合えることはありません。
人は責められると素直になれない
また、「普通は」という言い方をすると、相手は「責められている上に見下されている」と感じます。人間、責められるとまず言い訳を考えてしまうものです。
最初に例で挙げた「普通、自分で脱いだものは自分で洗濯物かごにいれるでしょ!」の件では、夫は自分の脱いだ物を洗濯機に入れたほうがいいのは分かっていたはずです。
奥様に甘えて脱ぎっぱなしにしたかもしれません。あとから洗濯機に入れようと思って忘れていたのかもしれません。
そこで「普通は・・・!」と責めてしまうと、夫は素直になれず言い訳をしたり逆切れしたりする可能性があります。
先に例で出したお味噌汁の件も、
妻「お味噌汁は普通、具は少なめでしょ」
夫「普通、具だくさんだろ!」
と、妻が“普通”を使ってしまったことで夫も負けじと“普通”で対抗してきています。
「こんな普通の事も知らないの」と見下された感じは、特に男性とっては不快な言葉です。
「普通は」というと夫婦喧嘩は悪化するだけ。
責めないで自分の気持ちを伝える
「普通、自分で脱いだものは自分で洗濯物かごにいれるでしょ!」と言わないで、「自分で脱いだものは自分で洗濯機へ入れてほしい」と伝えます。
夫に「なんで豆腐とわかめしか入っていないの?」と言われたら「私、具は少ない方がすきだから」と答えます。
自分の普通は相手の普通ではない、という事を忘れないようにしましょう。
「普通」を武器にするな
「普通、主婦なら疲れていても夕食ぐらいつくるだろ!」
これ、育児中の主婦にとってはとてもつらい言葉。赤ちゃんのお世話は想像以上に大変です。赤ちゃんの調子が悪くてずっと泣いている事もあれば、ママの体調が悪い事もあるし、用事があり時間がなかった、っていうことだってあります。
いつも一定の状態ではないのです。それを全部無視して「普通」ってなんなんでしょ。
自分の思う「普通」を振りかざして責める前に、まず相手の状況を考えなければいけません。
まとめ
これから先も仲良くしていくには、お互いの価値観が違う事を理解するのは大事な事。そして、自分の「普通」を押し付けるんじゃなく、伝える事が大切だと思います。
夫婦喧嘩はただの言い合いではありません。
夫婦喧嘩は、自分の価値観を伝え、相手の価値観を知り、よりよい関係にする為のイベントなのです。
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